| ＜沖縄戦跡＞ 太平洋戦争沖縄戦での悲劇の象徴となっているのが、ひめゆりの塔。負傷兵の看護や死体処理、水・食料の運搬などのために戦場に動員された沖縄女子師範学校及び沖縄第一高等女学校の生徒たちの部隊、通称「ひめゆり学徒隊」。彼女たちが沖縄戦線が壊滅状態になっていく中、防空壕の中で、ある者は毒ガスに命を奪われ、ある者は状況に絶望して自決し、学徒・職員合わせて２１１名もの犠牲者を出した場所である。本土決戦に備えて捨石とされた沖縄、そこで米軍の包囲網の中、戦場の真っ只中で投降も許さない解散命令が出され、行き場を失っての悲劇だったという。そこには塔の下に悲劇の現場である防空壕が残され、近くには資料館が建ち、彼女たちが悲劇に至るまでの経緯、わずかに生き残った生徒たちの手記などが展示されている。こんなに美しい島でこんなにも悲惨なことが起こったのかと思うと涙が溢れてくる。 戦争である以上、戦闘行為の中で軍人たちが殺されたり傷を負ったりすることは仕方のないことなのかもしれない。しかし、ここで命を奪われたのは軍人でもない１６歳〜２０歳の少女たちである。自分たちの都合で沖縄を日本の国土扱いしたり、捨石としたりするやり方にも腹が立つが、玉砕の名のもとに少女たちにまで投降を許さず、戦場に放り出すことに対して怒りを覚え、同じ日本人として恥とも思う。なぜ、 軍人の美学をそれ以外の人々にも押し付けなければならないのか。トップにある人間は自国の 人間たちの命をそんなに軽く扱ってもよいの |
か。現代戦になって殺傷力の高い大量破壊兵器が発達するほど、軍人以外の人たちの被害も大きくなり、攻撃側にとっても人を傷つけるという痛みを負わずに済んでしまう。一つの都市がまるごと壊滅し、そこには誰がどのような形で殺されたのかという個人個人の記録も残らない。それを思えば悲劇が悲劇として記録に残され伝わっている  「ひめゆり」は、まだ幸せなのかも知れず、より強く、戦争の悲劇として後世まで伝わっていくのかもしれない。いや、伝えていかなければならない。以上、旅日記・沖縄編でした。今回はかなりの金額がかかった大名旅行のようになってしまいましたが、その４割が飛行機代。ネットで注文して、目いっぱい安く購入したつもりですが、あまり安くはなりませんでした。国際線に比べて、国内線の値引率が低いのはなぜ？ まぁ、でも美しい風景にも出会えたし、たくさんの素敵な人たちにも出会えたし、沖縄を思い切り堪能できた素晴らしい旅になりました。 |
