海の京都　花見旅

　うららかなる陽気の４月の土曜
　今を盛りに咲き誇る
　桜の花で彩られた
　美しき風景目的に旅立つ
　行く先は京都府北部
　山の京都、海の京都と近年売り出し中の地域
　緑深き山々　日本海の荒波の海を
　背景に広がる昔ながらの集落、町並
　期待に胸躍らせて　満員の新幹線にて出発す

＜美山＞
　このたび最大の目的地・美山へ。南丹市美山町北には茅葺民家の集落が今も残る。もちろん国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている区域である。川沿いに田畑が広がり、背後の山の南斜面に入母屋茅葺屋根の民家が十数棟建っている。各戸、庭先に思い思いの草木を植えており、桜をはじめ、水仙、チューリップ、コデマリなど春の花々が咲き揃い、彩りを添えている。その様は中国の伝説に聞く桃源郷のよう。観光客向けに物を売り、食事を提供する店もあるが、全てが素朴なこの集落に似合ったもの。散策する自分にもゆったりとして心地良い時が流れる。この美しき集落の永遠を祈る。

＜京丹波～綾部＞
　京丹波町は大福光寺へ。本堂と塔のみの小さな寺であるが、その２つの建物がいずれも美しい。多宝塔と本堂である毘沙門堂、いずれも国の重要文化財に指定されている南北朝時代の建物は、心を安んじてくれるような優しげな建物であった。
　綾部市はグンゼ博物苑へ。衣料品メーカー・グンゼはこの地で生まれ、今も本社と広大な工場を持つ。綾部市中心街から徒歩10分程度の位置にある本社には、かつての事務所が資料館として残され、毎週金曜日に公開されるとのこと。内部見学はできなかったものの存在感ある外観だけでも眺められ

たことに満足。また道路を挟んだ向かい側には繊維や衣料品について展示する博物館もあり、この街が受ける恩恵も大きい模様。京都だけでない魅力的な京都府にまた出会うことができた。

＜宮津＞
　３度目の天橋立。今回は橋立を渡らず、宿泊のみ。元伊勢籠神社に参拝し、旅の無事の感謝と翌日の旅の無事を祈る。到着が午後５時過ぎだったため、土産物屋や食堂は大方閉まり、人影少ない静かな街になっていた。でも天橋立の美しい風景に時間は関係ない。到着時、翌日の出立時にその美しい風景を見られる幸せをかみしめる。